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数字のセンスを磨く |
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上のキャンペーン広告を見て、あなたならどう感じるだろうか? 「へぇ、タダになるなんてすごいなぁ」「50人にひとりじゃなかなか当たらないな」 「私だったら、50人にひとりでもけっこうあたる自信があるけど」など、感想はひとそれぞれだろう。 しかし、数字に対するセンスがある人は、そういう感想はけっして持たない。 この時点で、数字のセンスがある人意外は、「無料に当たるかどうか」という観点でしか物事を考えられない。 どうしても、「無料」という言葉にとらわれて過ぎてしまう。もちろん、「広告で無料をうたっているんだから、 無料という言葉にとらわれても仕方ないじゃないか」という意見はごもっともである。しかし、この場合、 広告主のほうは、無料ということについてたいして気にしていないのである。 「無料という出血覚悟のサービスをするのだから、広告主が気にしていないわけがないじゃないか」と 思われるかもしれない。しかし、この「広告主」というのがポイントなのである。 勘が鋭い方はもう気づかれただろう。「広告主の立場」になって考えれば、 「無料」ということにたいした意味がないということに。 それでは正解をいおう。「50人にひとり無料」とは「100人にふたり無料」である。 ということは、パーセンテージに直すと100分の2、つまり2%が無料。 これを「広告主の立場」から見ると、「2%の割引」である。 そう、この「50人にひとり無料」は「2%割引」とほとんど同じことをいっているのである。 いまどき「2%割引」とうたっても、「消費税還元」「1〜3割引!」があたりまえのこの世の中、 たいしたアピールにはならないし、消費者のほうもそれくらいではとうてい喜ばない。 それが、「50人にひとり無料」といい換えるだけで、とたんにその広告が輝きを増してくるのである。 これは、おそらく「無料」という言葉が持つ絶大な力のせいだろう。 私たちの頭には「無料→お得」という思考回路がすでにできあがってしまっているのだ。 しかし、冷静になって計算してみると、 たいして得ではないことを別の表現でいっているに過ぎないことがわかる。 この「別の表現でいっている」ことにすぐに気づくかどうかが、数字のセンスを持っているかどうかの境目となる。 つまり、広告をみたときにすぐ、「50人にひとりってことは100人にふたりで2%のことだから、 2%割引と同じだな。2%の人しか当たらないんだな」と見破れるかどうかということだ。 瞬時に気づくことができた人は、数字のセンスを持っている人だろう。 「無料」という言葉や表現のインパクトなどに惑わされずに、物事をキチンと数字で考えることができるかどうか、 それが数字のセンスだ。そしてそのセンスがあれば、「だったら逆に、確実に安くなる5%割引を選んだ方が得だ」と、 理論立てて物事を選択することもできる。
引用 山田 真哉著 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学
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